幌尻岳の登り方

 幌尻岳は日高山脈の最高峰で、日本百名山の一つに入っています。
 幌尻岳の登山基地は幌尻山荘になると思いますが、額平川(ぬかびらがわ)から入山する場合、幌尻山荘の手前約1kmは何度も川を渡渉しなければならず、日本百名山の中でも難易度の高い山の一つであると思います。ところで私は〇〇百名山完登を目標に山登りをするのは、反対なので念のため。

 ところで『山と渓谷』2003年10月号に、台風10号の大雨のために下山できなくなった29人が8月12日に自衛隊のヘリで救助されたという記事が載っていました。29人のうち20人はツアー客と添乗員です。

 幌尻岳登山で注意すべきことを私なりにまとめると以下の通りです。(私は九州在住で幌尻岳には一回しか登っていませんので、少し勘違い等あるかも知れませんが、大筋で間違いはないと思います。)

・晴天が続いた場合、額平川の水量は膝下位まで減少するようだが、雨が降ると直ぐに増水し、ちょっとした雨でも臍の辺りまで増水することがある。私が下山するときも大した雨ではないのに、濁流状態になり、最も深いところは臍まで水に漬かった。
 従って、雨量が多い場合には、下山不可能になり幌尻山荘で待機する必要が生じることがあるので、日程と食料には余裕を持つ必要がある。はっきり言って、濁流状態で臍まで水に漬かって転倒でもしたら、確実に死ぬと思います。私のように単独登山者は特に注意が必要です。単独は止めといたほうが良いと思いますが。

・装備は渡渉用の靴(私は地下足袋を使用)、登山靴(重量軽減のため短靴にしたら山頂付近は雪だらけで靴の中迄濡れて失敗しました。)、渡渉で濡れるため着替えのズボン(実際は体温で乾かしました)、山小屋宿泊用具一式とかなりの量になります。私は、大型ザックに荷物が入りきらないので、山頂登山用の小型ザックにも荷物を詰めて、ザックを二段重ねにして背負いました。結構な重量の荷物を背負って、川を渡渉して行くわけですからそれに応じた体力も必要です。

・ヒグマの生息地の為、注意が必要。昭和45年に福岡大学ワンダーフォーゲル部が日高山脈カムイエクウチカウシ山でヒグマに襲われ、3名が犠牲になっています。一応注意するに越したことはないと思います。

 概ね以上が私なりに気が付いた点です。私が登ったのは2000年の7月3日ですが、天候不順でほとんど展望は得られなかったのですが、ほんの数秒ですが、ガスが流された瞬間に見えた北カールの素晴らしかったこと。普段見る色とは全然違いました。また行きたい山です。
 尚、7月の第一日曜だったと思いますが、地元の人の登山日になっているので、その前日の山荘宿泊は出来るけ、遠慮して欲しいとのことでしたので、7月上旬に登る場合には事前に平取町役場商工観光課(TEL 01457-2-2221)等に確認するのが良いと思います。
 それにしても台風の接近中に山に登っても何も見えないだろうに、それでも百名山の一つに登ったというポイントが得られるので登るんでしょうか? もういい加減につまらない百名山巡りは止めて自分の山登りをやったらどうなんでしょうね!

 ちょっと誤解のないように言っておきますが、日本百名山とか九州百名山がつまらない山だと言っているのではなく、盲目的に百名山のピークハントのみにあくせくする登山者の態度を言っているのです。

2003年11月29日記 

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